2005年09月26日
ニワトリを殺すな
この秋に読む!TOPエンジニアが刺激を受けた25冊/Tech総研で紹介されていた本。
傷ついて羽に血が付いたニワトリは、仲間のニワトリにその傷をつつかれてしまい殺されてしまうらしい。
会議で失敗する人を傷ついたニワトリにたとえて、失敗した人を会議で責めるな、責めて失敗した人をつぶすなという教訓からこのタイトルがつけられた。
当たり前のことだけど、実はなかなか実践できてない、だけどとても大切なことをこの本では指摘している。大きめの文字で行間の空白も多いので短時間で読み切れてしまうほど短い物語だが、身につまされるおもいをする教訓がいくつもあった。
ニワトリを殺すな
ケビン・D. ワン Kevin D. Wang
幻冬舎
2003-03
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「創造」のための教訓
- 失敗を奨励せよ
- 経験のないことをやって誤るのは本当の失敗ではない
- 進歩のためにはまず第一を踏み出すこと。「試してみよ」だ
- ただし、失敗したら原因を追及し、正しく反省せよ
- 正しい失敗・正しい反省をした人を攻撃してつぶすな
- 商品は絶対に嘘は言わないと思え
- 商品は会社の思想がすべてあらわれていると思え
- 消費者の目を侮るな
- 本質的に解決すべきことは、どのようにしても本質的に解決せよ
- 人の心をしれ
- 人間を相手に商売をしているということを忘れるな
- したがって、人の心を知ることが創造の根源であることを心得よ
- そのためには、直接生身の人間と触れ合え
- そして、何事にも相手の立場にたって考えるようにせよ
- 真実の前では公平且つ平等であれ
- よいアイデアが上司やベテランから生まれるとは限らないと考えよ
- お客さんは社員の面子ではなく、アイデアにたいしてお金を払っていることを忘れるな
- 「時間」という概念を大切にせよ
- 時間とアイデアは切り離せないと考えよ。いかに優れたアイデアでも時間というタイミングがずれればタダ同然である
- 如何に時間を稼ぐか、つまりはスピードが勝負であだ
- 創造=アイデア×情熱
- 真の創造とはアイデアと情熱の掛け算によって生まれるものである
- したがって、四のアイデア・十の情熱は、十のアイデア・一の情熱に勝ると思え
- 力いっぱい人間を愛せよ
失敗から学ぶ、同じ失敗を繰り返すなということはいろいろなところで出てくるし、比較的自分でも実現できている方だと思っている。ただ、自分はまだ学生という立場でお金を払って研究や学習をしているという立場をとっており、もっぱらサービスを受ける立場にあり、サービスを提供する側、責任をとる側の立場に立たされていない。おそらく、責任をとる側の立場になったときに同じことが実際にできるかどうかが非常に重要になってくるのではないかと思う。自分の責任がおもくなるにつれ、自分の背負っているもの、自分のキャリアなどを捨てる覚悟ができるかどうかが重要なのかもしれない。また、人を管理する立場に立ったとき、そのような環境を作れるかどうかが重要になってくるのだろうか。
教訓の一つに人の心をしれというものがある。情報の研究分野は、ユーザに近い研究が多いためか、人というものを意識する機会が多く、今まさに考えていることと近くて共感がもてた。そして一番これから注意していかなければならないことのように思った。
時間とアイデアの関係。これは、言わずもがな。研究をしていれば当たり前のことだと思う。発明の特許要件にも含まれし、至極当然のことだと思った。
指摘したいことを架空の物語を通して読者に伝えるという形をとっているが、実は本田宗一郎をモデルにして物語りを作っているらしい。
投稿者 nabe : 2005年09月26日 19:14
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