« 工業所有権四法対照法文集(平成18年度版) | メイン | 論文試験の法文集 »
2005年09月18日
受験機関の利用について
弁理士試験は一般に受験機関を利用しないと受からないといわれています。独学ではなかなか最終合格することが難しく、ほとんどの合格者は何らかの形で受験機関を利用しているというのが現実でしょう。
受験機関を利用するメリットとしては、
- 無駄なく、効率のよい勉強ができる
- 受験生仲間がいるため、勉強に対するモチベーションをお互いに高められる
といったところでしょうか。
おそらく、独学でも最終合格することは不可能ではないとは思います。ただ、独学だと法律知識などの習得とは別に、勉強法方法の模索や試験の傾向などの把握などを独自で行わなければならず、どうしても試行錯誤の作業が多くなり、余計な時間や手間がかかってしまいがちです。
独学者が陥りやすい学習方法として最も多いのは、実際の試験問題を無視した学習です。資格試験は、試験に合格することが目的であり、知識を高めることが目的ではありません。従って漫然と学習するのではなく、試験に受かるための学習をする必要があります。そのためには、短答試験や論文試験などの過去問を元に、その過去問を解くためにはどの様な学習方法をとらなければならないか、そのためにはどこからどの様にして学習する必要があるかということを分析する必要があります。極論を言ってしまえば、本試験で点数をとるためなら本質を理解する必要は必ずしも必要ないのです。
しかし、初学者の人が何の知識もなしに過去問をみてそのような分析を行えるはずありません。そうすると、どうしても「なんとなく」条文を最初から読んでみたり、「なんとなく」基本書を読んでみたりといった漠然とした学習方法をしてしまうようです。また、法律特に工業所有権四法は、相互に条文同士が関連し合っていることが多く、大局的なものの見方ができないとなかなか全体像が見えてきません。自分が疑問に思ったことなどに一つ一つ答えてくれる人が自分の周りにいるかいないかで学習の効率はかなり変わってくるでしょう。
たとえるならば、ある場所からある見知らぬ土地の目的地まで行きたいという場合に、地図もなく自分の勘を元に適当な方向に手当たり次第に歩き回り目的地を目指すことに独学は似ています。これでは、いつ目的地に着くかわかりません。その土地の人に目的地までの行き先を教えてもらか、地図を購入して目的地までたどり着く方が断然早く目的地までたどり着けます。お金をかけてもよいならばタクシーなどを利用してもっと楽にたどり着くこともできます。楽をした分、時間も労力も他のことに割けるので全体的には効率がよかったりします。
弁理士試験に限らず、何をするにでもライバルや共に頑張る仲間がいるとお互いが刺激となり効率が高まります。受験機関のゼミや講座を受講すれば、だいたい同じぐらいの知識レベルの人間が集まるので、そこで受験仲間を探してみるのもよい刺激になるかもしれません。また、お互いの情報を交換し合うことで予想外の収穫があるかもしれません。受験時代に知り合った仲間は、受験後も重要な人脈になりますので、大事にしたいものです。
ただ、受験機関はあくまで効率のよい学習の支援であり、あくまで学習の主体は自分自身ですので、どこまでその効率性を享受するかは各自が判断すべきことだと思います。受験期間にかけるお金と学習の効率はトレードオフなので、上手に受験機関を利用することをオススメします。
次回は、自分が受験の時に使った受験機関とその講座を紹介したいと思います。
投稿者 nabe : 2005年09月18日 12:15
<広告>アルク ヒアリングマラソン
【英語の耳を徹底して鍛える!】1年間で1000時間、生の英語を聞き続けることを目標に、実用レベルのヒアリング力を養成。英語圏で生活しているかのような環境を作り出し、徹底して「英語を聞く耳」を鍛えます。
